立教189年

2026年6月 第304号

枇杷の実

会長夫人

会長夫人

たわわに実ったオレンジ色の実が大きく伸びた枝とともに切り落とされてゆく。「枇杷(ビワ)食べませんか?」と道ゆく人に袋いっぱいの枇杷を手渡す。沢山の実がつくこの季節、教会の前にテーブルを出し自由に持ち帰ってもらうのが常だったが、今年は傷のついていないきれいな枇杷だけを袋に入れ、おしゃべりを楽しみながら自然の恵みのお裾分けをしてみた。

枇杷の実はもいだその時は無傷で美しい。が、少し時間が経つと落下時に衝撃を受けた所が変色してくる。教会の台所にはそんな傷ついた枇杷だけがスーパーの籠二つ分運ばれた。無心に傷んだ所を取り皮をむいた。「Sさんは枇杷が好きだったなー」とか「Kさんが良く枇杷を取ってくれたなー」と心にいろんな人が浮かんでくる。枇杷には声がないので簡単にバサバサ落としてしまうが、言葉があったら悲鳴をあげてるかもしれない。

柔らかな綺麗な実に触れていると「人の心も同じなんだろうな」という思いがしてくる。知らない内に誰かの言葉や何気ない出来事に深く傷ついたり心悩むことに出会うことがある。見えないがゆえにいろんな色に変化しながら心の中の傷は広がってゆくのかもしれない。また反対に「そんなつもりでは…」と知らない内に傷つけていたりもするのだろう。たわいのない事を心に浮かべながら手をかけていたら、この傷ついた枇杷達がなんとも愛しくなってゆく。

この枇杷の木はここで何年実をつけているのだろう?丸坊主になった木は随分と古木になっている。「今年も沢山の実りを有難う」、「沢山の人との縁を繋いでくれて有難う」、と夫婦揃って夕暮れ時に枇杷の木を眺めた。

与わる全ての物を活かし、また自分をも活かせる日々でありたい。としみじみ感じ入った。

トマトニュース

教会の花 『アガパンサス』

6月になると青い小さな花が花火のように花開きます。今年は21本咲きました。長年教会におられたIさんが出直されたのは平成29年6月。Iさんの葬儀にはこのアガパンサスの花を祭壇一杯に飾りました。とても綺麗でした。

6月になり立派に咲き誇るアガパンサスの花をみるたびに、花の中にニッコリ笑うIさんを思い出します。朝一番に白衣を着て神殿に座る姿、裏庭で竹ぼうきを持つ姿、飼っていた犬と一緒にタケノコ堀りに行く姿等、とても懐かしいです。

トマトニュース 1-1

しあわせの道しるべ#134

慎みが理や、

慎みが道や。

慎みが世界第一の理、

慎みが往還や程に。

 

おさしづ 明治二十五年一月十四日